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学校の窓の落下事故調査結果

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建築開口部協会では2021年に、会員企業4社に報告が上がっている窓の落下事故を調査しました。

事故事例を、学校等種別、施設種別、地域、発生年、経過年数、窓種、原因と推定される部品で分類して、整理・分析しました。

学校等種と件数

学校等種と件数
  1. 学校等種別では、全般的に窓の落下事故は発生している。各学校とも予防の観点から点検は必要。
  2. 特に中学校の件数が最も多く、全体の約4割を占めており、中学校が多い理由としては、扱いが粗い為と推測される。

施設種別と件数

施設種別と件数
  1. 施設種別では、滞在時間の長い教室が最も多く、全体の5割を占めている。また教室は他の施設に比べ窓の設置数も、非常に多い。
  2. 生徒が多く集まる体育館・廊下が次に多く、事務所やトイレ、食堂、保育室でも全般的に発生している。

地域と件数

地域と件数
  1. 地域別では、学校数が多い関東が最も多く、九州、関西の順となっている。

※福岡県で落下事故が、2009年から2011年にかけて6件報告されている。

事故発生年と件数

事故発生年と件数
  1. 発生年では、2015年~2019年で増加している。安全意識の高まりにより、メーカーへの報告件数が増加したことも影響していると推測されるが、近年の事故増加が憂慮される。
  2. 福岡県で落下事故が、2009年から2011年にかけて6件報告され、その後減少しているが、ここ数年は、年間 3~5件継続して発生している。

経過年数と件数

経過年数と件数
  1. 経過年数では、竣工後10年以上15年未満で突出して多く発生していることにより、定期点検・補修が非常に重要となる。
  2. 改修後2年未満で5件事故が発生しており、非正規部品使用が原因と推測されるものが3件ある為、業者選定が重要課題となる。

窓種と件数

窓種と件数
  1. 窓種では、最も普及している引違い窓が約8割を占めている。(網戸も含めると約9割)
    その他の窓種についても事故が発生している。

原因と推定される部品と件数

原因と推定される部品と件数
  1. 原因と推定される部品では、障子はずれを防止する「外れ止め部品」が最も多く5割強を占めている。またその他の中で(事故事例資料より)、非正規部品使用が2件、改造が1件、無理やり開閉が4件あり、業者選定や生徒への注意喚起が重要課題となる。

まとめ

  1. 2008年以降、落下事故が44件発生し、「人身事故」が3件発生している(事故事例資料より)
    ※メーカーに報告されないものもあるはずで、実際にはもっと多いと推測。人身事故は少ないが一歩間違うとサッシの落下は人命にかかわる重大事故につながる。
  2. 学校等種別では、全般的に窓の落下事故は発生している。各学校とも予防の観点から点検は必要。
    特に中学校での事故事例が最も多く、早急な対応が必要。
  3. 竣工後「10年以上15年未満」で事故事例が突出していることより、定期点検が必要。
    (例えば、竣工後10年点検などの検討)

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