Page 23 - 会報「窓快14号」
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  対応のポイントとなるのは、「3. 検索機能の確保」と「4. データの真実性を担保する措置」になります。
「3. 検索機能の確保」は、「取引年月日」「取引金額」「取引先」で検索できる状態にしておかなくてはならないことです。 1専用ソフトで機能を備える方法のほか、2保存するファイル名を「20221031_( 株 ) 国税商事 _110000」のよう
にしておくことでフォルダの検索機能が使えるようにしておく方法、3 Excel 等で索引簿を作成し、ファイルと関係づ けて検索できるようにしておく方法等も認められています。
 「4. データの真実性を担保する措置」については、A)タイムスタンプが付されたデータを受け取る、B)データに速 やかにタイムスタンプを押す、C)データの訂正・削除が記録される又は禁止されたシステムでデータを受け取って保 存する、D)不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を整備・運用する、という A ~ D のいずれかを行うことが求 められます。A は取引先、B は自社にタイムスタンプが付与できるシステム導入が必要です。C についても、システム 導入が必要なほか、データの保存だけではなくやりとりもそのシステム内で行う必要があります。D については、自社 で電子データの取り扱いについての規程を、国税庁が公表しているサンプル等を活用して定めておく方法です。  なお、電子取引データの保存システムとして販売されているものの中には、データのやりとりはそのシステム外で
(メール等で)行われる場合も少なくないことから、真実性の担保は D の事務処理規程で図っていることが多いようです。
 電子帳簿等保存・スキャナ保存については、保存義務者の選択により紙で保存するかデータで保存するかを決められ るため、いままで通りでも構いません。
 一方、電子取引データ保存は、2024 年 1 月から対応が必要になりますので、いまのうちから準備が必要です。書類 の数が多くなく、書類を扱う担当者が決まって、運用方法が徹底できる場合は、以下の方法が適しているのではないで しょうか。
 「3. 検索機能の確保」については、電子データのファイル名に日付・取引先・金額を付与するか、日付・取引先・金 額と電子データを結びつける索引簿を作成します。
 「4. 真実性の担保」については、新たにシステムを導入するにはコストがかかりますので、「不当な訂正削除の防止に 関する事務処理規程」を整備・運用する方法が、最もハードルが低い方法です。事務処理規程のひな型については、国 税庁のホームページからダウンロードすることができます。これを参考にしながら、自社のやり方(ファイル名の付与 または索引簿の作成等)にあわせて規程を作成しておきます。
 現在、電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービス等がいくつか登場しています。今回の改正電子帳簿 保存法をきっかけに専用の会計ソフト等を導入するのも一つの方法です。また、銀行やクレジットカードのデータと連 携しながら記帳・保存するシステムもあります。これにより、経理業務の効率化も可能です。 会計ソフトを導入したら、月次決算も可能になります。月次決算を行うことで会社の業績をタイムリーに把握できるよ うになり、状況にあわせて経営方針を迅速に修正することができます。経営課題の早期発見につながり、問題の深刻化 を防ぐことにもなります。
 また 2023 年 10 月からは「インボイス制度」もスタートします。経理業務を取り巻く環境が大きく変わるなかで、 経理の効率化・財務管理の見える化を図り、課題の早期発見と企業の成長につなげていきましょう。
出典・引用  国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」  中小企業庁「どうすればいいの?「電子帳簿保存法」
 小規模企業・個人事業者した対応策
 経理の効率化・財務管理の見える化を図ろう
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